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ところで前の話。 動脈を切ってしまう医者の話。
別に私たちが、手術動脈ブチ切りに相当するようなミスをしたわけではありません。 一応念のため。
ところで船は沈没するとき、渦を作ってしまう。だからその前に飛び込まないと助からない。
そういうわけで、とっさに飛び込ませるためのマニュアルがあるらしく、それは乗客の国籍によって違うそうだ。
アメリカ人に対しては 「一番に飛び込めばあなたはヒーローです」
イギリス人 「紳士とはこういうときにこそ真っ先に飛び込むものなのです」
ドイツ人 「沈没するときは飛び込む規則になっています」
フランス人 「飛び込んではいけません」
日本人 「みんな飛び込んでいます」
韓国人 「日本人は飛び込んでます」
中国人 「海の中には魚がいます」
最後の中国人の話で笑い顔が凍った。 本当にそういうのがいますから。
快晴で穏やかな海。 それでも「あっサカナがいる」 といえば「サカ」と聴いた瞬間飛び込んで「ナがいる」 といっている頃には飛び込み姿勢で宙に浮いている。
その姿勢がまた、手の指先からつま先まできれいな飛び込み姿勢であったりする。
自分では抜け目なく、賢く振舞ったつもりなんですよこれがまた。
上海で会いたくない中国人にあってしまったが、 話のほとんどが嘘であることは簡単に分かった。
これはわたしだからわかる。
八割が大嘘で二割はウラはとっていないけど嘘に聞こえる、 というもの。
父親の友達で一億五千万元の資産家のところで働いているとか、 (そういったことを忘れてしまったのか) そのあとで「埼玉には大きな川があってその川を越えたところに町がある」といいだし「私がそこの社長である」とその中国人女性は言い出した。
他に仕事仲間である中国人のおばさんもいたが、彼女に対しても嘘を言っている。 全部嘘だ。 「死ぬときは一緒」くらいの誓いをしてていいはずの人、そのおばさんまで騙そうとする。おばさんは嘘と思っていない。 しゃべることといい、書くことといい、ほとんど嘘じゃないか!
これはもう人間じゃないと思った。
終わっていると思った。 何が終わっているかというと人生が、である。
人生のこの後、彼女が金銭的に恵まれるとかそういうことは関係ない。 どうであれ人間の心を失った時点で終わりであり、 これからの彼女の人生に意味や価値は何もない。
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